目 的:人間ドック健診における非散瞳下超広角眼底撮影の有用性を検討する.
対象と方法:2013年5月から2014年4月までの非散瞳下Optos® 200Tx超広角眼底撮影検診580例1,160眼(Optos群)とそれ以前の散瞳下眼底検査387例774眼(366眼が重複)の判定可能率と眼疾患検出率を比較した.
結 果:Optos群は1,156眼(99.7%)で判定可能であり,3眼は白内障のため,1眼は老視矯正用角膜インレイ挿入眼のため判定不能であった.散瞳群は全眼で判定可能であった.Optos群,散瞳群ともに網膜裂孔などの周辺部網膜疾患の検出も可能であったが,網脈絡膜萎縮や網膜剝離などの周辺部網膜病変の検出率は散瞳群のほうが有意に高かった.
結 論:判定不能症例もあるがOptos® 200Tx超広角眼底撮影は非散瞳状態でも眼底周辺部まで撮像可能であり,利便性が高く人間ドック健診において有用である.(日眼会誌120:35-40,2016)