目 的:近視矯正手術laser in situ keratomileusis(LASIK)とtrans-epithelial photorefractive keratectomy(tPRK)の長期経過を比較検討すること.
対象と方法:再手術を行わず7年の経過観察可能であった症例中,年齢および矯正度数をマッチングさせたLASIK群17例23眼,tPRK群16例23眼の群間比較を後ろ向きに行った.視力,屈折度数,角膜形状について比較検討した.
結 果:術後7年時の裸眼視力1.0以上の割合はLASIK群71.9%,tPRK群69.7%であり,有意差は認めなかった.術後6か月から7年の間にLASIK群で-0.18 D,tPRK群で-0.36 Dのわずかの近視化を認め(p=0.24),角膜前面曲率半径においてLASIK群で0.23 D,tPRKで0.57 Dのスティープ化をそれぞれ認めた(p=0.05).
結 論:術後7年において両群とも良好な裸眼視力を保っていたが,LASIKに比較してtPRKは角膜前面屈折の増大に伴い屈折の近視化が起こりやすい傾向にあった.
(日眼会誌120:487-493,2016)