論文抄録

第120巻第7号

臨床研究

Laser in situ keratomileusisとtrans-epithelial photorefractive keratectomyの術後7年の経過比較
中村 葉1), 稗田 牧1), 山村 陽2), 脇舛 耕一2), 横田 勲3), 木下 茂4)
1)京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学
2)バプテスト眼科山崎クリニック
3)京都府立医科大学大学院医学研究科生物統計学
4)京都府立医科大学特任講座感覚器未来医療学

目 的:近視矯正手術laser in situ keratomileusis(LASIK)とtrans-epithelial photorefractive keratectomy(tPRK)の長期経過を比較検討すること.
対象と方法:再手術を行わず7年の経過観察可能であった症例中,年齢および矯正度数をマッチングさせたLASIK群17例23眼,tPRK群16例23眼の群間比較を後ろ向きに行った.視力,屈折度数,角膜形状について比較検討した.
結 果:術後7年時の裸眼視力1.0以上の割合はLASIK群71.9%,tPRK群69.7%であり,有意差は認めなかった.術後6か月から7年の間にLASIK群で-0.18 D,tPRK群で-0.36 Dのわずかの近視化を認め(p=0.24),角膜前面曲率半径においてLASIK群で0.23 D,tPRKで0.57 Dのスティープ化をそれぞれ認めた(p=0.05).
結 論:術後7年において両群とも良好な裸眼視力を保っていたが,LASIKに比較してtPRKは角膜前面屈折の増大に伴い屈折の近視化が起こりやすい傾向にあった.
(日眼会誌120:487-493,2016)

キーワード
laser in situ keratomileusis, trans-epithelial photorefractive keratectomy, 角膜形状, 長期経過
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