目 的:Descemet stripping automated endothelial keratoplasty(DSAEK)後に再DSAEKを施行した症例における治療成績を評価する.
対象と方法:東京歯科大学市川総合病院にて,2007年から2011年までにDSAEKを施行し移植片機能不全となり再移植を要した38眼の初回DSAEK後と再DSAEK後の移植片生存率と術後合併症を,同時期に単回DSAEKを実施した215眼と比較検討した.また,再DSAEK群と単回DSAEK群の術後12か月までの矯正視力(BSCVA)および角膜内皮細胞密度(ECD)について比較した.
結 果:移植片生存率は初回DSAEKが他の2群より有意に低かったが,再DSAEK群と単回DSAEK群に有意差は認めなかった(p>0.05).BSCVAおよびECDにおいて再DSAEK群と単回DSAEK群に有意差は認めなかった(p>0.05).術後合併症はどの項目も3群間で有意差を認めなかった(p>0.05).
結 論:再DSAEK群と単回DSAEK群において,移植片生存率,BSCVA,ECDおよび術後合併症に有意差を認めなかったことから,DSAEK後角膜内皮機能不全に対して再DSAEKを積極的に考慮することは有用である可能性が示唆された.(日眼会誌121:864-870,2017)