難治性の黄斑疾患に対して新しい手術を開発した.層状黄斑円孔においては網膜上の増殖組織を円孔内に戻すことでほとんどの症例で正常の形態を取り戻した.低濃度組織プラスミノーゲン活性化因子網膜下注入と硝子体内気体注入術で,確実に黄斑下血種を黄斑から移動させることができた.また,術後の抗血管内皮増殖因子(VEGF)療法は視力の維持に有効であった.難治性黄斑円孔に対する自家内境界膜移植は95%以上の症例で円孔の閉鎖が得られた.びまん性の糖尿病黄斑浮腫のうち,抗VEGF薬に対するnon-responderにbalanced salt solution網膜下注入は早期の浮腫の消失と最終的な視機能の改善に有用であった.(日眼会誌122:171-179,2018)