論文抄録

第122巻第5号

臨床研究

片眼性滲出型加齢黄斑変性僚眼の近赤外光自発蛍光のパターン分類
繁田 龍二郎, 沢 美喜, 三浦 聡子, 横山 彩子, 林 仁
堺市立総合医療センターアイセンター(眼科)

目 的:片眼性滲出型加齢黄斑変性(AMD)僚眼において,近赤外光自発蛍光(NIR-AF)のパターン分類を行う.
対象と方法:対象37例の患眼AMD病型の内訳は,典型AMDが20例,ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)が17例であった.僚眼のNIR-AFをNormal pattern(異常所見なし),Minimal pattern〔5分の1乳頭面積(DA)未満の低蛍光〕,Focal pattern(複数病変を含み合計5分の1DA以上1DA未満の低蛍光または過蛍光),Speckled pattern(合計1DA以上の低蛍光および過蛍光が混在しているもの)の4つに分類し,各パターンにおける患眼AMD病型の保有率を調べた.
結 果:AMD僚眼のNIR-AFにおいてNormal patternは5眼,Minimal patternは13眼,Focal patternは15眼,Speckled patternは4眼でみられ,各々のパターンにおける患眼の典型AMD/PCVの内訳は,Normal pattern:2/3眼,Minimal pattern:7/6眼,Focal pattern:7/8眼,Speckled pattern:4/0眼であり,典型AMD僚眼でのみSpeckled patternを認めた.
結 論:典型AMDの一部の症例では,僚眼に広範囲のNIR-AF異常を認めた.(日眼会誌122:385-392,2018)

キーワード
加齢黄斑変性, ポリープ状脈絡膜血管症, 眼底自発蛍光, リポフスチン, メラニン
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〒593-8304 堺市西区家原寺町1-1-1 堺市立総合医療センターアイセンター(眼科) 沢 美喜
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