目 的:強度近視の黄斑合併症に対する小切開硝子体手術の結果を検討する.
方 法:強度近視の黄斑合併症に対して20 G~25 Gの硝子体手術を施行した68眼(20 G:27眼,無縫合23 G:15眼,縫合23 G:15眼,25 G:11眼)を対象とした.これら症例を後ろ向きに検討し,周術期合併症,術後視力について検討した.
結 果:術後3か月の平均logarithmic minimum angle of resolution(logMAR)視力は20 G:0.85,無縫合23 G:0.78,縫合23 G:0.43,25 G:0.46(p<0.05)で小切開になるほど良好であったが,視力変化には4群間で有意差をみなかった(p=0.21).無縫合23 Gでは,術後1日目の眼圧が有意に低いが(20 G:15.0 mmHg,無縫合23 G:11.4 mmHg,縫合23 G:18.7 mmHg,25 G:14.2 mmHg,p<0.05),7日目は同等であった.創口閉鎖不全,感染症などの合併症率は4群間で差をみなかった.
結 論:強度近視の黄斑合併症に対する小切開硝子体手術は,20 Gと比較して同等の手術成績を有する.(日眼会誌116:1130-1136,2012)