臨床研究
アレルギー性結膜疾患特異的quality of life調査票の確立
深川 和己1）2）, 藤島 浩2）3）, 福島 敦樹4）, 角 環4）, 岡本 茂樹5）, 庄司 純6）, 佐竹 良之7）, 大野 重昭8）, 南場 研一9）, 北市 伸義9）, 海老原 伸行10）, 高橋 浩11）, 熊谷 直樹12）, 内野 裕一2）13）, 内野 美樹1）2）, 村山 公一1）, 坂田 実紀14）, 内尾 英一15）, 高村 悦子16）, 大橋 裕一17）, 大久保 公裕18）, 佐藤 敏彦19）
1）医療法人慶翔会両国眼科クリニック
2）慶應義塾大学医学部眼科学教室
3）鶴見大学歯学部附属病院眼科
4）高知大学医学部眼科学教室
5）医療法人幸友会岡本眼科クリニック
6）日本大学医学部視覚科学系眼科学分野
7）東京歯科大学市川総合病院眼科
8）北海道大学大学院医学研究科炎症眼科学講座
9）北海道大学大学院医学研究科医学専攻感覚器病学講座眼科学分野
10）順天堂大学医学部眼科学教室
11）日本医科大学眼科学教室
12）くまがい眼科
13）東京電力病院眼科
14）ワキタ眼科
15）福岡大学医学部眼科学教室
16）東京女子医科大学眼科学教室
17）愛媛大学医学部眼科学教室
18）日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
19）北里大学医学部附属臨床研究センター
目 的：アレルギー性結膜疾患（ACD）に対する疾患特異的quality of life（QOL）調査票（Japanese allergic conjunctival disease QOL questionnaire：JACQLQ）を確立する．
対象と方法：対象は，ACD患者521例，健常者127例の計648例．日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票を改変したJACQLQ ver.0を用い自己記入式調査および細隙灯顕微鏡検査を行った．項目分析，因子分析，各項目の相関分析を行った．
結 果：因子分析の結果，一般QOLスコア（生活への支障度），一般QOLスコア（気分），眼症状，鼻症状の4因子に収束，Cronbach係数は0.846～0.934と高い信頼性が示された．眼アレルギー症状の中で一般QOLスコアと相関の高い順はかゆみ，異物感，なみだ目，客観スコアとの相関が高い順は充血，かゆみ，異物感，総合顔スコアとの相関が高い順はかゆみ，異物感，充血であった．
結 論：JACQLQは，ACDに対する疾患特異的QOL尺度として有効であると考えられた．（日眼会誌116：494-502，2012）
キーワード
アレルギー性結膜疾患, quality of life（QOL）, 疾患特異的QOL調査票, 日本アレルギー性結膜疾患標準QOL調査票（JACQLQ）
別刷請求先
〒130-0026 東京都墨田区両国4-33-12 両国眼科クリニック 深川 和己
BR5K‐FKGW@asahi‐net.or.jp
受付:2011年8月18日 改訂受理:2011年10月27日
利益相反：利益相反公表基準に該当なし
日本眼科学会雑誌
116: 494-502,2012
