目 的:オロパタジン塩酸塩点眼液0.2%(以下,オロパタジン点眼液0.2%)は,マルチアクションを有するアレルギー性結膜炎治療薬であり,1回1~2滴,1日2回の用法で承認されている.本試験の目的は,アレルギー性結膜炎患者を対象に,オロパタジン点眼液0.2%の1回2滴,1日2回,10週間投与における安全性および有効性を検討することである.
対象と方法:本試験は,12歳以上のアレルギー性結膜炎患者を対象として単一施設で実施した,非盲検,単群試験である.
結 果:110例が登録され,ベースラインから10週目までの掻痒感の重症度点数および充血の合計重症度点数の変化量の平均値(95%信頼区間)は,それぞれ-2.4点(下限:-2.7点,上限:-2.2点),-3.2点(下限:-3.4点,上限:-2.9点)であった.他の有効性評価項目の重症度点数の平均値は,ベースラインで2.4点以下と低く,10週目までに0.6点以下に減少した.重篤な有害事象はなく,治験薬と関連のある有害事象は軽度の眼刺激(1例)のみであった.安全性に関する問題はみられなかった.
結 論:オロパタジン点眼液0.2%は,概して安全で忍容性が高く,両眼1回2滴,1日2回点眼はアレルギー性結膜炎患者に対して有効で,眼アレルギー治療の新しい有用な選択肢であることが示された.(日眼会誌116:869-879,2012)