目 的:受託サービスによるマイクロアレイを用いた遺伝子解析の日本人における有効性の検討.
対象と方法:京都大学医学部附属病院眼科にて採血を行った網膜変性疾患患者84家系(87症例)を対象とし,マイクロアレイを用いた海外の受託サービスを利用し遺伝子解析を行った.
結 果:常染色体優性遺伝の網膜色素変性36家系中2家系,Leber先天盲の4家系中2家系,錐体-(杆体)ジストロフィの24家系中11家系,黄斑ジストロフィの7家系中3家系,クリスタリン網膜症の7家系中6家系で変異を認めた.常染色体劣性遺伝の網膜色素変性6家系では変異を認めなかった.
結 論:網膜色素変性以外の網膜変性疾患では,マイクロアレイを用いた遺伝子スクリーニングは日本人においても,効率よく変異を検出することができることが示された.(日眼会誌117:12-18,2013)