目 的:中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)におけるインドシアニングリーン蛍光眼底造影(IA)でみられる脈絡膜血管透過性亢進と走査レーザー検眼鏡のレトロモードによる網膜色素上皮(RPE)病変との相関を調べる.
方 法:対象はCSC 20例(僚眼を含め40眼)で,これらの症例を眼底病変群25眼と眼底異常のない僚眼(眼底正常群)15眼に分けた.これら症例についてIAでの脈絡膜血管透過性亢進とレトロモードで検出されるRPEの微細顆粒状病変(MGL)を分析した.
結 果:レトロモードで検出されるMGLはCSCの僚眼を含み40眼中38眼(95%),眼底病変群25眼では全例,眼底正常群(CSCの僚眼)15眼では13眼(87%)にみられた.レトロモードで検出されるMGLの範囲について,IAでの脈絡膜血管透過性亢進部より広いもの18眼(45%),ほぼ一致するもの15眼(38%)で,MGLと脈絡膜血管透過性亢進部とは何らかの関連を認めた.脈絡膜血管透過性亢進が検出できないものは7眼(17%)であった.
結 論:MGLはIAでみられる脈絡膜血管透過性亢進により発生した可能性がある.(日眼会誌117:44-49,2013)