目的:トラボプロスト/チモロール配合剤点眼薬の眼圧下降効果と眼表面因子への影響を検討すること.
対象と方法:多施設共同の前向き研究.プロスタグランジンF2α誘導体(PG)を単剤点眼中の原発開放隅角緑内障(POAG)28眼(PG群)と,PGと交感神経β遮断薬を2剤併用点眼中のPOAG 38眼(PG+BB群)をトラボプロスト/チモロール配合剤点眼薬に変更し,1か月後·3か月後の眼圧下降に対する有効性,結膜所見(球結膜充血,濾胞),角膜上皮障害に対する安全性を評価した.点眼の使用感のアンケート調査も行った.
結果:配合剤点眼薬に変更した後,眼圧はPG群で下降したがPG+BB群で変動しなかった.いずれの群でも結膜充血·角膜上皮障害スコアは変化せず,点眼の使用感アンケートのスコアも変化はなかった.
結論:トラボプロスト/チモロール配合剤点眼薬は,日本人のPOAGに対して十分な眼圧下降効果を有し,眼表面因子への影響もPG単剤点眼や交感神経β遮断薬点眼と同等である.(日眼会誌117:793-798,2013)