目 的:加齢黄斑変性(AMD)に対する光線力学的療法(PDT)後に最低12か月間病勢沈静化を維持した症例においてその後の再発に与える因子について検討する.
対象と方法:AMDに対し1ないし複数回のPDT後12か月以内に追加治療を必要としなかった41例42眼を対象とした.12か月を超えて再発した20眼を再発群,最終観察期間まで病勢沈静化を維持した22眼を対照群とし,再発に関与する背景因子について統計学的に検討した.
結 果:術前視力は有意に再発群のほうが良好であった(p=0.005).また,病勢の沈静化までに施行したPDT回数は再発群に多く統計学的に有意であった(p=0.010).PDT後に12か月以上にわたる病勢沈静の維持後の再発と高年齢(p=0.026),PDT施行回数(p=0.001),良好な術前視力(p=0.003)の項目で統計学的に有意な関連がみられた(R=0.63,R2=0.39,p<0.001).
結 論:高齢,良好な術前視力,PDTの複数回施行はPDTによる病勢沈静維持後の再発リスクとなり得る.(日眼会誌117:329-334,2013)