論文抄録

第118巻第10号

基礎研究

カラーソフトコンタクトレンズの着色部位がレンズ形状に与える影響について
月山 純子1)2), 宮本 裕子2), 福田 昌彦2), 三浦 啓彦3), 土屋 二郎3), 下村 嘉一2)
1)社会医療法人博寿会山本病院眼科
2)近畿大学医学部眼科学教室
3)チバビジョン株式会社

目 的:カラーsoft contact lens(カラーSCL)の着色部位が,形状に与える影響を検討する.
方 法:国内市販のカラーSCLと同メーカー製,同素材,同規格のクリアSCLで比較検討した.形状は,CL image viewerを用いて等張液中で側面から観察した.また,sagittal depthを実測した.SCL切片を作製し,その形状についても検討した.同一眼において同メーカー製,同素材,同規格のクリアSCLとカラーSCLのフィッティングが異なる症例について検討を行った.
結 果:クリアSCLとカラーSCLで,表示規格が同一あってもsagittal depthに有意な差があった.カラーSCLでは,切片を作製した際にフロントカーブ側に反り返るレンズがあった.この現象はクリアSCLでは生じなかった.
結 論:カラーSCLとクリアSCLでは形状が異なることがあり,フィッティングも異なる可能性がある.このためカラーSCL処方時の眼科医の診察と定期検査は必須である.(日眼会誌 118: 817-825,2014)

キーワード
カラーソフトコンタクトレンズ, 色素, 形状, フィッティング
別刷請求先
〒648-0072 橋本市東家6-7-26 社会医療法人博寿会山本病院眼科 月山 純子
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