目 的:原発開放隅角緑内障(POAG)における視野検査後の眼圧変動とそれに影響する因子,また,24時間眼圧日内変動との関係をレトロスペクティブに検討する.
対象と方法:24時間眼圧日内変動を測定し,Humphrey Visual Field Analyzer施行後の眼圧変動を測定したPOAG 52例94眼を対象とした.視野検査後の眼圧変動を求め,変動の大きさで大·中·小変動群の3群に分け,各群の24時間眼圧を比較した.視野検査後の眼圧変動に影響する因子,大変動群となる因子を検討した.
結 果:視野検査後の眼圧変動は平均値±標準偏差:-0.28±1.90(範囲:-6.0~+5.0)mmHgであり,影響する因子を検討したが有意なものはなかった.大変動群の午前3時の眼圧は他の2群より有意に高かった(p<0.001).大変動群になりやすい因子は中心角膜厚(オッズ比=1.04,95%信頼区間=1.01~1.07,p=0.02)であった.
結 論:視野検査後の眼圧変動に一定の傾向はなかったが,視野検査後の眼圧変動が大きい症例は,夜間眼圧の上昇とも関連している可能性が示唆された.(日眼会誌118: 831-837,2014)