目 的:1995年に身体障害者福祉法が改定された.そして,V/4イソプタからI/4イソプタによる周辺視野評価に変更された.健常眼のV/4,I/4イソプタ面積を調査し,加齢変化,ならびにI/4イソプタによる5級判定への影響について検討する.
対象と方法:当院に通院歴があり,Goldmann視野計による動的視野検査を施行された片眼に眼科的に異常所見を認めない137例137眼(10~79歳,平均値±標準偏差:47.0±17.5歳)を対象とした.V/4,I/4イソプタ面積をImageJにて計測し,加齢変化ならびに身体障害者診断書に記載されている正常視野面積との関係を比較検討した.
結 果:V/4イソプタ面積は70歳以降,I/4イソプタ面積は50歳以降で有意に減少した.I/4イソプタ面積の加齢変化は,V/4よりも有意に大きかった.I/4イソプタ面積が5級基準を満たす症例は,60代で19%,70代で75%であった.
結 論:高齢者では,健常眼でも5級基準を満たす症例が存在するため,運用上の注意が必要である.(日眼会誌118:958-962,2014)