目 的:花火による眼外傷に関するアンケート調査結果を報告する.
方 法:日本眼科学会の研修指定病院1,094施設を対象に,2011年に診療した花火による眼外傷の詳細について,郵送によるアンケート調査を行った.
結 果:アンケートの回収率は57.9%で,19施設において花火による眼外傷20例23眼を診療していた.受傷者の年齢は1~45歳(平均18.4歳)で,男性17例,女性3例であった.不注意や不慮の事故による受傷が15例18眼で,ロケット花火を人に向けて撃つなど誤った遊び方による受傷が5例5眼であった.これらの5例は15~27歳の男性で,5眼すべてで障害は水晶体や網膜に及び,手術を要し,最終視力は0.4以下であった.
結 論:誤った花火遊びが原因で,日本で1シーズンに少なくとも5例5眼が重篤な眼障害を受け,高度の視力障害を生じていた.誤った花火遊びを抑制する啓発活動が必要である.(日眼会誌118:1007-1012,2014)