目 的:日本における視覚障害の原因を調査する.
対象と方法:全国を7ブロックに分け,1ブロックから1自治体を無作為に抽出し,2007年4月~2010年3月に身体障害者診断書·意見書に基づいて新規に視覚障害認定を受けた18歳以上の4,852名について検討した.
結 果:原因の1位は緑内障で21.0%であった.2位は糖尿病網膜症15.6%,3位は網膜色素変性12.0%,4位は黄斑変性9.5%,5位は脈絡網膜萎縮8.4%であった.緑内障は70代以降の主因で,1,2級で61%を占めた.糖尿病網膜症は50,60代の主因で,40代以下の主因は網膜色素変性であった.黄斑変性は80代以降で多かった.
結 論:2001年~2004年の調査と比べ上位の順位に違いはなかった.さらに増加が見込まれる視覚障害者に対する予防や早期治療対策を立て,実態調査のために原因疾患や障害状態を解析できるデータ集約システムの構築が求められる.(日眼会誌118:495-501,2014)