目 的:房水中フリーラジカルの種類の違いを緑内障群と白内障群で比較すること.
対象と方法:緑内障群44眼と白内障群15眼の房水中フリーラジカルをelectron spin resonance(ESR)で測定し,その検出率を比較した.また,患者の糖尿病(DM)の合併,血管新生緑内障(NVG)の合併の有無でサブグループ解析を行った.
結 果:フリーラジカルはアスコルビン酸フリーラジカル(AFR)·微量スーパーオキシド(SO)を含むAFR(AFR+)·微量AFRを含むSO(SO+)の3種類で,各種検出率は,緑内障群(最多SO+)と白内障群(最多AFR),緑内障のDM群(最多SO+)と非DM群(最多AFR),白内障のDM群(最多AFR+)と非DM群(最多AFR)で各々有意差があった.NVGではDMの有無にかかわらず全例でSO+が検出された.
結 論:房水中SOは白内障より緑内障で発生しやすく,緑内障·白内障とも非DMよりDMで発生しやすかった.NVGでSOと血管新生の強い関連が示唆された.(日眼会誌118:759-767,2014)