目 的:無治療加齢黄斑変性(AMD)に対するアフリベルセプト硝子体内注射(IVA)の維持期必要時(PRN)投与での12か月成績をラニビズマブ硝子体内注射(IVR)群と比較する.
対象と方法:AMDに対しIVAを1か月ごと連続3回施行後にPRNにて追加投与を行った42眼を対象とした.IVRで治療を行った56眼を対照とし,経時的な視力変化と再発について統計学的に検討した.
結 果:治療前視力と平均治療回数に両群間で有意差はなかったが,IVA群の視力改善度は治療開始後の各時点でIVR群より良好で6か月では統計学的に有意差を認めた(p=0.041).IVA群では導入期終了後から初再発までの期間がIVR群より短く,導入期以降の寛解維持率も低かった.12か月後の0.2 logarithmic minimum angle of resolution(logMAR)以上の視力改善とAMDのサブタイプがポリープ状脈絡膜血管症,最大病変直径,治療前視力の項目で有意な関連を認めた.
結 論:抗血管内皮増殖因子療法による視力改善は治療薬の選択より病型・病態の影響を強く受けていた.(日眼会誌119:839-845,2015)