論文抄録

第119巻第5号

総説

Leber遺伝性視神経症認定基準
中村 誠1), 三村 治2), 若倉 雅登3), 稲谷 大4), 中澤 徹5), 白神 史雄6); 網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班・日本神経眼科学会
1)神戸大学大学院医学研究科眼科学分野
2)兵庫医科大学眼科学教室
3)井上眼科病院
4)福井大学医学部眼科学教室
5)東北大学大学院医学系研究科眼科学分野
6)岡山大学大学院医歯薬総合研究科眼科学

厚生労働省網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班ならびに日本神経眼科学会合同でLeber遺伝性視神経症の認定基準を作成した.主徴候3つと検査所見3つからなる主要項目の該当数と組み合わせに応じて,最終診断を確定例,確実例,疑い例,保因者に区分するようにした.主徴候は時間差をおいた両眼性中心視機能低下,乳頭黄斑線維束障害,急性期の特徴的視神経乳頭所見からなる.検査所見のうち,特異的ミトコンドリア遺伝子変異につき詳述し,部位につき別表を設けた.また,主要項目の補足と解説のために,11項目の参考事項を列記した.これら認定基準の策定は,Leber遺伝性視神経症の疫学調査を促進し,当該患者の福祉の向上に寄与すると思われる.(日眼会誌119:339-346,2015)

キーワード
Leber遺伝性視神経症, 認定基準, 難病, ミトコンドリア遺伝子
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〒650-0017 神戸市中央区楠町7-5-1 神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野 中村 誠
manakamu@med.kobe-u.ac.jp