論文抄録

第120巻第11号

症例報告

眼瞼下垂により発見された結膜アミロイドーシスの2症例
新井 玲, 海老原 伸行, 冨田 茂樹
順天堂大学医学部附属浦安病院眼科

背 景:アミロイドーシスは,全身臓器の細胞外にアミロイドが沈着し,機能障害を引き起こす疾患であるが,結膜アミロイドーシスは結膜に限局してアミロイドが沈着するまれな疾患である.今回我々は片眼の眼瞼下垂を主訴に発見された結膜アミロイドーシスの2症例を経験したので報告する.
症例1:43歳女性.左眼瞼下垂と左上眼瞼裏の違和感を主訴に近医を受診,アレルギー性結膜炎の診断にて点眼加療するも改善を認めず当院に紹介された.左眼瞼下垂と左上眼瞼結膜に黄色の隆起性病変が認められ,組織病理検索の結果,結膜アミロイドーシスと診断した.
症例2:31歳女性.左眼瞼下垂と左上眼瞼裏の違和感を主訴に近医より当院を紹介された.左眼瞼下垂と左上眼瞼結膜に黄白色の腫瘤性病変を認め,組織病理検索の結果,結膜アミロイドーシスと診断した.
結 論:片眼性の眼瞼下垂患者を診察する際には,結膜アミロイドーシスも念頭に置く必要があると考えられた.(日眼会誌120:797-801,2016)

キーワード
結膜アミロイドーシス, 眼瞼下垂, 眼瞼腫瘍
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