目 的:加齢黄斑変性(AMD)に対する血管内皮増殖因子阻害薬必要時治療の長期成績の検討.
対象と方法:初回治療から2年以上経過を追えた248人257眼(男性189人,女性59人,平均値±標準偏差:71.1±9.2歳)の治療回数と期間,視力,形態変化を後ろ向きに検討した.再治療は患者の意思を重視して決定した.
結 果:平均経過観察期間3.7年間の治療回数は平均6.4±3.8回/眼で,240眼が一度は滲出性変化が消失し,最終的に160眼が滲出消失した.Gass分類の2型新生血管は1型より高頻度で線維化した.平均視力は治療前0.36,最終0.26であった.54眼は治療期間が100日以内だったが,ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)は治療期間が長かった.重篤な局所および全身副作用はなかった.
結 論:平均視力低下は治療回数が少ないためと考えた.全体の21%は短期間の治療後再発なく経過したが,PCVは典型AMDより治療が長期化した.(日眼会誌120:91-100,2016)