目的:先進医療として実施された羊膜移植の適応と予後を調査する.
方法:①2010年度~2012年度に先進医療として羊膜移植を実施した国内21施設にアンケートを郵送し,疾患名,有効性,転帰を調査した.②京都府立医科大学眼科で2009年4月から2013年6月までに実施した症例を同様に検討した.
結果:①計311眼の回答を得た.疾患は翼状片148眼,角膜潰瘍・上皮欠損60眼,角膜穿孔28眼,難治性緑内障24眼,その他51眼であった.有効性は完全奏功と部分奏功を合わせると287眼(92.3%)であり,転帰は有効281眼(90.4%)であった.②当科で実施した45眼の疾患は初発翼状片15眼,再発翼状片27眼,その他(瞼球癒着)3眼であった.有効性は完全奏功98%,部分奏功2%であり,転帰は有効100%であった.
結論:羊膜移植は主として翼状片で実施され,角膜潰瘍,角膜穿孔,難治性緑内障にも高い有効性を示した.(日眼会誌120:291-295,2016)