目 的:漿液性網膜剝離(SRD)を伴う糖尿病黄斑浮腫(DME)に対するラニビズマブ硝子体内投与(IVR)において,SRD消失までの投与回数を予測する術前光干渉断層計(OCT)所見を検討する.
対象と方法:DMEに対して6か月以上IVRにて治療した15例17眼を対象とした.SRD消失までの投与回数と,中心網膜厚(中心1 mmの平均網膜厚),SRDの高さ,囊胞様黄斑浮腫,外境界膜破綻,およびSRD中のhyperreflective fociの有無との関連を後ろ向きに評価した.
結 果:SRD消失までの投与回数は1~5回であり,術前中心網膜厚(r=0.538,p=0.026)およびSRDの高さ(r=0.742,p<0.001)と正の相関があったが,視力および他のOCT所見とは関連しなかった.また,6か月での視力改善といずれのOCT所見も相関を認めなかった.
結 論:SRD消失までのIVR投与回数は,SRDの高さと関連があった.(日眼会誌121:585-592,2017)