目 的:屈折矯正手術後の角膜上皮厚分布について検討する.
対象と方法:対象は2014年4月から2015年2月までにバプテスト眼科クリニックを受診し,角膜上皮厚を測定した患者269例269眼である.屈折矯正手術前の前眼部形状解析で角膜形状スクリーニングを行い,異常を検出しなかった非変形群(247例247眼)と異常を検出した変形群(22例22眼)に分類した.非変形群において非手術眼と屈折矯正手術後〔laser in situ keratomileusis(LASIK),epipolis LASIK(Epi-LASIK),有水晶体眼内レンズ(phakic IOL)挿入術〕の角膜上皮厚分布を比較した.変形群において非手術眼と屈折矯正手術後〔角膜内リング(ICRS)挿入術,クロスリンキング(CXL),phakic IOL挿入術〕の角膜上皮厚分布を比較した.
結 果:非変形群においてLASIKとEpi-LASIK術後の角膜上皮厚は角膜径5 mm以内において有意に厚かった.変形群においてICRS挿入術後は下方に厚い領域を認めた.
結 論:LASIK,Epi-LASIK術後は角膜上皮が厚くなる.角膜上皮厚分布は角膜屈折矯正手術により生じる角膜形状の変化を反映することが示唆された.(日眼会誌122:114-120,2018)