目 的:順天堂医院で白内障術後に角膜穿孔を生じた3例の臨床経過を報告する.
症 例:症例1は82歳男性,ドライアイの既往があり,抗核抗体は陽性であった.症例2は64歳女性,関節リウマチの既往があった.症例3は60歳女性,Sjögren症候群の既往があり,抗核抗体が陽性であった.すべての症例で白内障術後に角膜穿孔を生じた.全例で眼表面疾患と自己免疫疾患の既往が重複する症例であった.表層角膜移植術を施行し,全症例ともに2年経過後も再移植の必要なく経過良好である.
結 論:眼表面疾患や自己免疫疾患の既往が重複するハイリスク症例は,術後の点眼調整などの個別対応が必要であると考えられる.(日眼会誌122:300-305,2018)