目 的:日本眼科啓発会議で提唱するアイフレイル啓発活動では,セルフチェックリストを提示している.今回,Web調査を行ってチェックリストの信頼性,妥当性を検証した.
対象と方法:Web調査会社の登録モニターから,緑内障,糖尿病網膜症,黄斑変性,白内障の診断を受けている対象者(以下,有疾患者)と正常者(老視あり,なし)を抽出し,チェックリストの質問10項目への回答を依頼した.チェックリスト陽性(10項目中2項目以上該当)とアイフレイル陽性(有疾患者または老視)の関係を多重ロジスティック回帰分析で分析した.また,信頼性の検討のためにチェックリストのスコアからCronbachのα係数を求めた.
結 果:有疾患者と正常者を合わせて全2,656例〔年齢:62.4±11.6歳(平均値±標準偏差),性別:男性1,471例,女性1,185例〕から回答を得た.アイフレイル陽性者とチェックリストの各項目の関連では,該当基準を調整することで10項目中9項目で有意の関連を示した.チェックリスト陽性はアイフレイル陽性となる因子と有意な関連を示した.Cronbachのα係数は0.748となり,内的整合性の目安となる0.7を超える値を示した.
結 論:アイフレイルセルフチェックリストの構成概念妥当性や内的整合性が示され,その妥当性と信頼性を示すことができた.(日眼会誌128:466-472,2024)