目 的:乳幼児重症眼疾患の発見契機となった主訴,発見経路と初診時期を調査し,早期発見への課題を検討する.
対象と方法:2010~2023年に国立成育医療研究センター(以下,当院)を初診した網膜芽細胞腫(Rb群)126例,高度先天白内障(Cat群)273例,先天緑内障(Gla群)67例,網膜硝子体異常(Vit群)274例(家族性滲出性硝子体網膜症190例,胎生血管系遺残84例)を後方視的に抽出し,主訴,発見経路,当院初診時年齢,主訴に気がついてから当院初診までの期間を調べた.
結 果:主訴はRb群:白色瞳孔63%,Cat群:瞳孔領白濁42%,Gla群:角膜混濁64%,Vit群:斜視33%が最多であった.発見経路は全群で家族が多く,Rb群79%,Cat群74%,Gla群46%,Vit群59%であった.当院初診時年齢(月齢)はRb群:15(6~27)か月〔中央値(四分位範囲)〕,Cat群:3(1~6)か月,Gla群:2(0~8)か月,Vit群:5(3~18)か月であった.主訴に気がついてから当院初診までの期間はRb群0(0~3)か月,Cat群1(0~2)か月,Gla群0(0~0)か月,Vit群1(0~3)か月であった.主訴に気がついてから当院初診までの期間が6か月以上の例はRb群17例(13%),Cat群は20例(7%).Gla群7例(10%),Vit群51例(19%)認め,これらの主訴はGla群以外で斜視が多く,Rb群11例(65%),Cat群12例(60%),Vit群34例(67%)であった.
結 論:乳幼児重症眼疾患は,家族が症状に気づいて発見されることが多かった.主訴に気がついてから当院初診までの期間は,Gla群以外はばらつきがあり,全群で6か月以上の例も少なくなかった.当院初診までの期間が6か月以上の例の主訴はGla群以外で斜視が多かった.(日眼会誌130:118-128,2026)