論文抄録

第130巻第2号

臨床研究

学会原著
第129回日眼総会
Soft-MIErを用いた内境界膜剝離の術中映像の画像強調とコントラスト比の検討
藤井 達也, 坂西 良仁, 海老原 伸行
順天堂大学医学部附属浦安病院眼科

目 的:3Dデジタル手術機械の一つであるNGENUITYは2023年にVersion 1.5となりコントラスト強調および特定の色調の強調機能が追加された.また,MIErは高精細画像鮮明化アルゴリズムLISrを搭載した医療用画像鮮明化装置である.今回,内境界膜(ILM)剝離におけるコントラスト比の関係についてSoft-MIErを用いて検討した.
対象と方法:順天堂大学医学部附属浦安病院においてNGENUITY Version 1.5を用いて硝子体手術を受け,ILM剝離を行った症例を対象とした.ブリリアントブルーG(BBG)を用いて網膜面を染色したのちILM剝離を行い,ILM剝離部とILM染色部のコントラスト比を計測した.手術中の映像を再現するためにSoft-MIErを用いて手術画像の補正強度(Cont)を0%,10%,20%,25%,30%,40%,50%に設定し,各設定とコントラスト比の相関,およびWebアクセシビリティにおける良好なコントラスト比の基準の一つであるコントラスト比 3を超える設定について検討した.
結 果:対象症例は21例21眼,70.2歳±7.7歳(平均値±標準偏差),男性12例,女性9例,眼軸長24.04±1.17 mmであった.コントラスト比はCont 0%で1.77±0.28,Cont 50%で4.49±1.28であり(p<0.05),Contは数値を上げるほどコントラスト比は上昇した.また,Cont 30%以上であればコントラスト比3を超えていた.
NGENUITYを用いたBBG染色におけるILM剝離ではMIErの補正強度を30%以上に設定することで十分なコントラスト比が得られると思われた.(日眼会誌130:87-93,2026)

キーワード
内境界膜(ILM)剝離, 画像鮮明化, NGENUITY, MIEr
Corresponding Author(別刷請求先)
〒279-0021 浦安市富岡2-1-1 順天堂大学医学部附属浦安病院眼科 藤井 達也
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