論文抄録

第130巻第4号

症例報告

学会原著
第129回日眼総会
虹彩実質囊腫に対する無水アルコール硬化療法を施行した1例
中澤 碧1)2), 村井 佑輔1), 安積 淳1)
1)神戸海星病院眼科・アイセンター
2)神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野

目 的:虹彩実質囊腫を無水アルコール硬化療法で治療した1例を報告する.
症 例:20代女性.右眼虹彩実質囊腫を発見され,紹介初診した時の右視力は(1.2)で自覚症状もなかった.虹彩の第1象限を占める囊腫性病変は角膜内皮に接し,角膜内皮細胞密度は1,815 cells/mm2であった.初診から5か月の経過で膨大し囊腫が瞳孔領を覆ったので,海外からの報告に準じて無水アルコールによる硬化療法を行った.処置後,囊腫は収縮して楔状に角膜虹彩に固着し,瞳孔は回復した.1年後の最終受診時右視力は(1.5)で,角膜内皮細胞密度は1,104 cells/mm2であった.囊腫内には液体貯留がみられた.
結 論:虹彩実質囊腫に対する無水アルコール硬化療法は,良好な視機能維持が期待できる治療法として報告された.同手技は本邦でも再現可能で,治療後1年の時点で,有害事象はみられなかった.(日眼会誌130:331-335,2026)

キーワード
虹彩実質囊腫, 無水アルコール硬化療法, 角膜内皮細胞密度
Corresponding Author(別刷請求先)
〒650-0017 神戸市中央区楠町7-5-2 神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野 中澤 碧
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