目 的:網膜静脈閉塞症に続発する囊胞様黄斑浮腫(RVO-ME)に対する囊胞様腔内壁切開術(cystotomy)の術後2年間の治療成績について検討すること.
研究デザイン:後ろ向き観察研究.
対象と方法:2014年9月~2021年7月にRVO-MEに対し囊胞様腔内壁切開術を施行し,術後2年間の経過観察をし得た24例24眼(男性11例,女性13例)を解析対象とした.評価項目は,性別,年齢,矯正視力,中心網膜厚(CRT),抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬・トリアムシノロンアセトニドTenon囊下注射・毛細血管瘤光凝固・硝子体手術など各治療の回数およびその合計,通院回数,フィブリノーゲン塊の摘出の有無,再発の有無とし,統計解析を行った.
結 果:平均年齢は72.7±10.2(平均値±標準偏差)歳.平均視力(logarithmic minimum angle of resolution:logMAR)は術前0.36±0.27から術後2年で0.26±0.34へ改善した(p<0.001).CRT(μm)は術前508.8±119.9から術後2年で285.9±80.4へ有意に減少した(p<0.001).全治療の年間総回数は,術前3.1±2.8回,術後2年目1.0±2.0回(p<0.001),通院回数は術前11.6±4.3回,術後2年目5.1±3.3回と,いずれも有意に減少した(p<0.001).フィブリノーゲン塊摘出症例は12眼,再発症例は7眼であった.
結 論:囊胞様腔内壁切開術は,RVO-MEに対する有効な治療選択肢となり得る.(日眼会誌130:349-357,2026)