目 的:オートケラトメーターの再現性とピッチの違いがトーリック眼内レンズ(IOL)の用い方,乱視矯正効果に及ぼす影響の検討.
対象と方法:82例131眼に対し,オートケラトメーターのピッチの異なる(0.01 Dと0.25 D)設定で2回に分け角膜乱視を測定,0.01 Dピッチから求めた0.25 Dピッチの演算値を加えた三者で,乱視度数,軸角度,ウェブカリキュレーターによるトーリックIOLの適応·スタイルの選択,予測術後乱視を比較した.
結 果:予測術後乱視にピッチの違いによる有意差はなかった.推奨スタイル,乱視軸角度の再現性は乱視の小さい症例で低かった.角膜乱視度数の検査―再検査間の測定値の不一致の標準偏差は0.293 Dであった.
結 論:トーリックIOLの用い方は乱視が小さい場合に再現性が不良となったが,0.25 Dピッチでも許容できる感度を示した.今後,測定系やアルゴリズムの開発などの工夫が必要と考えられる.(日眼会誌117:621-628,2013)