論文抄録

第119巻第7号

臨床研究

光干渉断層計による黄斑上膜の有病率の検討
野田 佳宏1)2)3), 山崎 沙織1), 川野 雅徳1), 後藤 禎久1), 大塚 慎一1), 小椋 祐一郎4)
1)医療法人大塚眼科医院
2)九州大学大学院医学研究院眼科学分野
3)大分大学医学部眼科学講座
4)名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学分野

目 的:光干渉断層計を用いて黄斑上膜の有病率を調査し,黄斑上膜と関連ある因子を検討する.
対象・方法:対象は大塚眼科医院において白内障手術を行った500例500眼(男性202眼,女性298眼)で,平均年齢は74.9歳であった.光干渉断層計検査は白内障手術後1~2か月の時点で施行した.
結 果:黄斑上膜は43眼(8.6%)に認められ,31眼(6.2%)は特発性黄斑上膜と診断した.特発性黄斑上膜と年齢の間には有意な関連がみられたが,性別,術後視力,糖尿病との関連はみられなかった.特発性黄斑上膜の症例においてアムスラーチャートで自覚症状を認めたのはわずかに4.8%であった.
結 論:黄斑上膜,特発性黄斑上膜の有病率はそれぞれ8.6%,6.2%であった.特発性黄斑上膜の危険因子は高齢であった.(日眼会誌119:445-450,2015)

キーワード
黄斑上膜, 有病率, 光干渉断層計, 白内障手術
Corresponding Author(別刷請求先)
〒879-5593 由布市挾間町医大ヶ丘1-1 大分大学医学部眼科学講座 野田 佳宏
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