目 的:光干渉断層計を用いて黄斑上膜の有病率を調査し,黄斑上膜と関連ある因子を検討する.
対象・方法:対象は大塚眼科医院において白内障手術を行った500例500眼(男性202眼,女性298眼)で,平均年齢は74.9歳であった.光干渉断層計検査は白内障手術後1~2か月の時点で施行した.
結 果:黄斑上膜は43眼(8.6%)に認められ,31眼(6.2%)は特発性黄斑上膜と診断した.特発性黄斑上膜と年齢の間には有意な関連がみられたが,性別,術後視力,糖尿病との関連はみられなかった.特発性黄斑上膜の症例においてアムスラーチャートで自覚症状を認めたのはわずかに4.8%であった.
結 論:黄斑上膜,特発性黄斑上膜の有病率はそれぞれ8.6%,6.2%であった.特発性黄斑上膜の危険因子は高齢であった.(日眼会誌119:445-450,2015)