目 的:眼内レンズ(IOL)光学部の房水と接する前房側表面のみに発生する軽症“steam-like clouding”の臨床的特徴とその発生率を調べること.
対象と方法:2017年9月から12月までの間に湘山会眼科三宅病院で行われた,硝子体と白内障のトリプル手術でIOL(エタニティーⓇ)を挿入した127眼(121症例).術後3日以内に細隙灯顕微鏡で観察して,点状混濁の発生量により程度分類を行った.混濁の範囲が光学部前面の2/3以上に認められ,その点状密度が1 mm2あたり50個以上で1,500個未満のものを軽症“steam-like clouding”と定義した.
結 果:エタニティーⓇを用いたトリプル手術において,軽症“steam-like clouding”は27.6%に発症していた.
結 論:軽症“steam-like clouding”は,硝子体トリプル手術で挿入されたエタニティーⓇにおいて,一定の割合で発生しており見過ごされている.(日眼会誌123:389-394,2019)