目 的:周期性斜視9例を内斜視,外斜視に分け,臨床像と治療経過に違いがあるか検討する.
対象と方法:2003年~2018年に国立成育医療研究センターで治療した周期性斜視9例(内斜視8例,外斜視1例)を後ろ向きに検討し,過去の報告と比較した.
結 果:周期性斜視の発症年齢は3~8歳で,急性発症が7例,調節性内斜視からの移行が2例であった.周期は48時間5例,24時間3例,72時間1例であった.斜視のない日は全例正位,立体視40~100秒,斜視の日は斜視角30~60 prism diopters(PD),両眼視は不良,4例に複視の訴えがあった.6例は周期が崩れ恒常性となった.全例に手術を施行し,術後眼位は正位となり,周期は消失した.外斜視1例は術3年後より近視性不同視と近見30 PDの輻湊不全型外斜視を生じ,眼鏡装用と輻湊訓練を施行,6 PDの外斜位となった.術後6~157か月にて,全例が眼位正位かつ良好な立体視を保持している.
結 論:周期性斜視の手術治療経過は良好であったが,外斜視では輻湊不全に対する治療を要した.(日眼会誌124:995-1002,2020)