目 的:オロパタジン塩酸塩点眼液(オロパタジン点眼液0.2%)は,1日2回の用法で承認されたアレルギー性結膜炎治療薬である.本試験の目的はアレルギー性結膜炎患者を対象に,プラセボおよびオロパタジン点眼液0.1%を対照としてオロパタジン点眼液0.2%の有効性と安全性を検討することである.
対象と方法:本試験は多施設共同,無作為化,二重盲検,並行群間比較,結膜抗原誘発試験である.18歳以上のアレルギー性結膜炎の既往がある患者の片眼にオロパタジン点眼液0.2%またはオロパタジン点眼液0.1%を,他眼にプラセボを点眼した.
結 果:本試験には267名が登録された.オロパタジン点眼液0.2%は掻痒感に対してプラセボより高い効果を示し(p<0.0001),総合充血(結膜充血,上強膜充血,毛様充血のスコア合計と定義)に対してもわずかに優れていた(p=0.0543).また,オロパタジン点眼液0.2%の掻痒感に対する効果はオロパタジン点眼液0.1%と同程度であった.安全性に関する何らかの傾向はみられなかった.
結 論:オロパタジン点眼液0.2%(1日2回点眼)は安全で忍容性が高く,プラセボよりも優れ,また,掻痒感に対する効果はオロパタジン点眼液0.1%と同程度であった.オロパタジン点眼液0.2%はオロパタジン点眼液0.1%に比べて投与回数が少なくても同程度の効果が得られ,アレルギー性結膜炎患者に良好な治療コンプライアンスをもたらす,新しい有用な選択肢である.(日眼会誌116:1123-1129,2012)