目的:ネパフェナク懸濁性点眼液0.1%の白内障手術以外の内眼部手術の術後炎症および眼痛に対する有効性および安全性を検討する.
対象と方法:硝子体手術,線維柱帯切除術,レーザー虹彩切開術,レーザー線維柱帯形成術およびレーザー後嚢切開術の予定患者を対象に多施設共同,オープン試験で検討した.
結果:全手術の治癒率,眼無痛率はそれぞれ85.6%(95/111),91.0%(101/111)であった.硝子体手術,レーザー虹彩切開術およびレーザー後嚢切開術の治癒率は80.4%(45/56),93.3%(14/15)および94.6%(35/37),眼無痛率は85.7%(48/56),100%(15/15)および94.6%(35/37)であった.有害事象は22例(19.6%)23件が報告された.因果関係を否定できない有害事象はアレルギー性結膜炎が1例(0.9%)に認められ,軽度で,治療により消失した.
結論:ネパフェナク懸濁性点眼液0.1%は,白内障手術以外の内眼部手術の術後炎症,眼痛にも有用な薬剤であると考えられた.(日眼会誌116:86-94,2012)