目的:3歳6か月児の屈折と生まれ月の関係を明らかにする.
対象と方法:岸和田市3歳6か月児健診で屈折検査を行った487名を対象とした.生まれ月ごとに左眼の平均屈折値を求め,グラフ化して関係をみた.屈折値と出生季節の関係を分散分析で検定した.
結果:対象例数が少ないため平均屈折値にばらつきが大きかったものの,9,10月生まれはわずかであるが遠視側にシフトする傾向が認められた.9~11月の秋生まれは遠視傾向にあり,平均屈折値±標準誤差は,春生まれ-0.058±0.057D(n=118),夏生まれ-0.001±0.052D(n=124),秋生まれ+0.133±0.064D(n=112),冬生まれ-0.143±0.055D(n=111)で,出生季節による有意差が認められた(p=0.008).
結論:3歳6か月児では屈折は出生季節と関係しており,秋生まれの小児は遠視になりやすい傾向がある.
(日眼会誌116:95-99,2012)