論文抄録

第117巻第10号

臨床研究

Basal laminar drusenの臨床像と黄斑病変
竹田 宗泰1), 佐藤 唯1), 荻野 哲男2), 今泉 寛子3), 奥芝 詩子3)
1)桑園むねやす眼科
2)北広島おぎの眼科
3)市立札幌病院眼科

目的:Basal laminar drusen(BLD)について,その臨床的特徴と黄斑病変を検討する.
方法:BLDを伴う日本人の27例54眼に対して,従来の画像検査法のほか,レトロモード(ニデック社製走査レーザー検眼鏡F-10)用いて,BLDおよび黄斑病変の臨床的特徴を検討した.
結果:1)レトロモードは従来の検査法に比べBLDを鮮明に検出でき,BLDをクレター群(C群:比較的疎で大小不同の軟性ドルーゼンを伴うもの)とメッシュ群(M群:密で微細,均一なBLDのもの)に分けることができた.2)BLDは両眼性で女性に多く,その型別(C群,M群),分布および黄斑病変は左右眼がほぼ同様であった.3)黄斑病変には黄斑萎縮,網膜血管腫状増殖,卵黄様病変が多く,脈絡膜新生血管は少なく,ポリープ状脈絡膜血管症は認めなかった.
結論:以上の所見からBLDは,臨床的には加齢黄斑変性と異なる疾患と考えられる.(日眼会誌117:799-807,2013)

キーワード
Basal laminar drusen(BLD), 黄斑病変, レトロモード(走査レーザー検眼鏡), 加齢黄斑変性, reticular pseudodrusen
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