目 的:近視性脈絡膜新生血管(m-CNV)に対するペガプタニブナトリウムとベバシズマブ硝子体内投与後1年の治療効果を比較し有効性を明らかにする.
対象と方法:対象は,2009年12月~2010年2月にペガプタニブナトリウム0.3 mg(P群:14眼)あるいはベバシズマブ1.25 mg(B群:14眼)に交互に割り付けし,1年間経過観察した中心窩下のm-CNV 28例28眼である.両群は6週ごとに経過観察され,黄斑に滲出性所見を認めた場合には再投与した.方法は視力,中心12度以内の平均網膜感度,病変最大直径,上腕血圧を投与前,投与1年後でMann-Whitney U検定を用い群間比較し,投与前後をWilcoxonの検定で比較した.
結 果:投与1年後で平均logMAR視力,平均血圧は両群間に有意差はなかった.平均病変最大直径は両群ともに有意に縮小した.平均網膜感度はB群でのみ有意に改善した.投与回数はB群で有意に少なかった.
結 論:両群間で1年後の視力に有意差は認めなかったものの,m-CNVに対するベバシズマブ硝子体内投与は,より少ない投与回数で平均網膜感度を改善するため,ペガプタニブナトリウム硝子体内投与より有効であると考えられる.(日眼会誌117:727-734,2013)