目 的:糖尿病網膜症に対する汎網膜光凝固術(PRP)について,従来凝固法とPASCAL®を使用したパターン凝固で比較したので報告する.
対象と方法:対象は2010年から2011年までの間に当院でPRPを施行し,6か月以上経過観察を行った26眼.レーザー前後の視力,中心網膜厚,照射条件,合併症について後ろ向きに検討した.
結 果:従来凝固法(従来凝固群)は10眼,パターン凝固(PASCAL群)は16眼であった.視力,中心網膜厚は,両群間ともに有意な変化を認めなかった.PRP完成までの施行回数は平均1.8回とPASCAL群で有意に少なく(p<0.01),PRP完成までの総照射数はPASCAL群で平均4,195と有意に多かった(p<0.0001).合併症は,両群間に有意差は認められなかった.
結 論:パターン凝固でも凝固間隔を考慮しPRP総照射数を増やせば,従来凝固法と同等の結果が得られると考えられた.(日眼会誌118:362-367,2014)