目的:Ocular surface squamous neoplasia(OSSN)の局在,治療,経過を検討する.
対象と方法:2000年~2011年に九州大学病院を初診したOSSNの34例.診療録から後ろ向きに調査した.
結果:角結膜上皮内腫瘍(CIN)17例中16例が球結膜に発生,うち10例は鼻側に発生していた.扁平上皮癌(SCC)17例中8例が球結膜,うち7例が鼻側に発生していた.瞼結膜と円蓋部のSCCは9例で,うち6例が上方に発生していた.治療法はCIN 17例中9例で切除,3例で抗癌剤点眼後の切除,5例で抗癌剤点眼単独であった.このうち切除のみの3例が再発した.SCC 17例中9例で切除,4例で抗癌剤点眼後の切除,4例で放射線治療が行われており,1例が再発した.
結論:CINは球結膜鼻側に多く,SCCは球結膜では鼻側に多いが,瞼結膜にも少なくない.抗癌剤点眼などを用いて良好な治療成績が得られた.(日眼会誌118:425-432,2014)