目　的：糖尿病黄斑浮腫への硝子体手術後に遷延する浮腫へのトリアムシノロンアセトニド硝子体内注射（IVTA）の効果を検討する．
対象と方法：16例16眼に4 mgのIVTAを施行した．投与1週後～24週後の期間にlogarithmic minimum angle of resolution（logMAR）視力，中心窩網膜厚，網膜感度閾値を測定し比較した．さらに投与までの期間で4か月未満（早期加療群）と4か月以上（後期加療群）の2群に分けて検討した．
結　果：LogMAR視力は投与前と比較して投与1週後～12週後で有意に改善した．中心窩網膜厚は投与前と比較して投与1週後～24週後の全期間で有意に減少し，網膜感度閾値は投与前と比較し投与1週後と4週後のみ有意に改善した（p＜0.05，repeated ANOVA）．早期治療群と後期治療群の比較では，投与4週後と12週後の時点で早期治療群は後期加療群に比しlogMAR視力の有意な改善がみられた（p＜0.05，対応のないt検定）．
結　論：術後遷延する糖尿病黄斑浮腫へのIVTAは特に早期加療群において有効な可能性がある．（日眼会誌120：429-438，2016）