目 的:血管新生緑内障患者に対して施行した,バルベルト緑内障インプラント(BGI)を用いた手術の治療成績,術後合併症について検討する.
対象および方法:本研究は後ろ向き研究である.2012年1月から2015年12月までの間に,富山大学にて眼圧コントロール不良な血管新生緑内障と診断され,BGI手術を施行し,6か月以上経過観察した31名35眼を対象とした.
結 果:患者の平均年齢は,62.7±13.9(平均値±標準偏差)歳,平均経過観察期間は22.0±12.7か月であった.術前平均眼圧は35.5±9.6 mmHg,術後6,12,24,36,48か月の平均眼圧は12.7±5.9,12.8±3.7,12.2±3.3,13.1±3.3,15.0±1.4 mmHgであった.術後視力の有意な改善は認めなかった.2眼にHoffmann Elbow脱出を認め,再手術を施行した.1年の術後生存率(手術成功率)は82.7%であった.術後処置を必要とした症例は認めなかった.
結 論:BGI手術はNVGに対して有用な治療方法である.(日眼会誌121:138-145,2017)