臨床研究
自覚応答が困難な症例における瞳孔視野測定の試み
浅川 賢1), 戸塚 和子2), 眞鍋 雄太3), 市邉 義章2), 石川 均1)
1)北里大学医療衛生学部視覚機能療法学
2)神奈川歯科大学附属横浜クリニック眼科
3)神奈川歯科大学附属横浜クリニック認知症・高齢者総合内科
目 的:自覚応答が困難な症例に対し,瞳孔視野測定を試みること.
対象と方法:対象は41例62眼(平均年齢74.8歳)で,ヘッドマウント型視野計imoⓇにより瞳孔視野を測定した.
結 果:瞳孔視野は57眼で施行でき,うち光干渉断層計・眼底所見と比較した42眼中31眼で一致した.しかし,75歳以上の患者では結果が不安定となり,睡眠障害やParkinson症状を合併した認知症患者は,いずれも測定不能であった.
結 論:本結果を踏まえた今後の対策によって,他覚的視野評価としての臨床応用の可能性がある.(日眼会誌123:977-980,2019)
キーワード
瞳孔視野測定, 他覚的視野評価, 対光反射
別刷請求先
〒252-0373 相模原市南区北里1-15-1 北里大学医療衛生学部視覚機能療法学 浅川 賢
asaken@kitasato-u.ac.jp
受付:2019年4月8日 改訂受理:2019年5月29日
利益相反:浅川 賢(カテゴリーF:クリュートメディカルシステムズ,ロッテ中央研究所)
日本眼科学会雑誌
123: 977-980,2019