目 的:網膜血管腫状増殖(RAP)に対するアフリベルセプト硝子体内注射(IVA)によるtreat-and-extend(TAE)とラニビズマブ硝子体内注射(IVR)によるTAEの2年成績を比較する.
対象と方法:IVAまたはIVRによるTAEを2年間継続できた未治療のRAP 33眼を対象とした.視力,中心窩網膜厚(CMT),中心窩下脈絡膜厚(CCT),色素上皮萎縮面積,治療回数,合併症を後ろ向きに評価した.
結 果:IVA群は15眼,IVR群は18眼で,治療前データに両群間で有意差はなかった.視力は,両群とも2年後まで有意な改善がみられたが,改善量に両群間で有意差はなかった.CMTとCCTは,両群とも2年後まで有意な減少がみられたが,減少量に両群間で有意差はなかった.色素上皮萎縮面積は,両群とも2年後まで有意な拡大がみられたが,拡大面積に両群間で有意差はなかった.2年間の治療回数は,両群で同等であった.両群とも重篤な眼局所および全身合併症はみられなかった.
結 論:RAPに対するIVAまたはIVRによるTAEは,視力,滲出性変化の改善に有効であったが,色素上皮萎縮面積は拡大した.薬剤間で2年間の治療成績に有意差はなかった.(日眼会誌124:628-636,2020)