目 的:アイモ両眼ランダム測定の緑内障診療における有用性を検討すること.
対象と方法:神戸大学附属病院眼科に通院中の緑内障患者のうち,20歳以上70歳未満,Humphrey視野計(HFA)30-2で視野障害がより進行しているほうの眼のmean deviation(MD)が-15 dB以上-6 dB以下の者を対象とした.同日にアイモ30-2両眼ランダム測定とHFA 30-2で測定し,2か月後に再検査した.両眼ランダム測定が施行できた数を算出し,2回目のアイモとHFAの検査時間,平均感度(MS),MD,pattern standard deviation(PSD),visual field index(VFI),中心窩閾値を比較した.検査後にアンケート調査を行った.
結 果:登録した67例中7例で両眼ランダム測定ができなかった.アイモ両眼ランダム測定はHFAの総検査時間より25%短かった.MSと中心窩閾値は両眼ともアイモのほうが有意に小さく,MDは左眼のみHFAのほうが小さかった.PSDは両者に差はなく,VFIは右眼のみHFAのほうが大きかった.アイモとHFAのMS,MD,PSD,VFIはすべて高い相関を認めた.アンケートでアイモでの検査を希望する者は89%であった.
結 論:アイモ両眼ランダム測定とHFAの結果は強く相関するが,機械特性による結果の差異を認めた.アイモは検査時間が短く患者の満足度も高い一方,両眼ランダム測定ができない例も一定数存在する.(日眼会誌125:530-538,2021)