目 的:Classic choroidal neovascularization(CNV)を有する典型加齢黄斑変性(tAMD)に対するアフリベルセプト硝子体内注射(IVA)とラニビズマブ硝子体内注射(IVR)によるtreat-and-extend(TAE)の2年間の治療成績を比較する.
対象と方法:IVAまたはIVRによるTAEを2年間継続できた未治療のclassic CNVを有するtAMD 34例34眼を対象とし,矯正視力,中心窩網膜厚(CMT),中心窩下脈絡膜厚(CCT),硝子体内注射回数,中心窩下線維性瘢痕の形成,新規網膜下出血,合併症を後ろ向きに比較した.
結 果:IVA群は17眼,IVR群は17眼であった.治療前データに両群間で差はなかった.矯正視力は両群ともに2年後まで有意に改善し,その改善量に差はなかった.CMT,CCTは両群ともに2年後まで有意に減少し,その減少量に両群間で差はなかった.2年間の硝子体内注射回数,2年後の中心窩下線維性瘢痕の形成頻度,経過中の新規網膜下出血の頻度においても両群間に差はなかった.両群とも重篤な眼局所および全身合併症はみられなかった.
結 論:Classic CNVを有するtAMDに対するIVAまたはIVRによるTAEは視力,滲出性変化の改善に有効であった.2年間の治療成績には薬剤による差はなかった.(日眼会誌125:673-681,2021)